リフト(密封された情報を読み取る)のレビュー一覧
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橋本英司さん
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2020/02/26 16:11
限りなく素直な直球、飾り気がなく、確実に使える解決策。間違いなく即興。嘘偽りなく準備不要。「手を挙げることさえできれば可能」これも本当です。 解説動画を見ていて、「日本人向きではない、日本的ではない」と感じられる箇所は感じました。日本のメンタリストがこの実演映像の通りに行うと不自然かも知れない、と。 Lift(情報読み取り)の仕組みは解説動画再生後10分足らずで明らかになります。その後はTipsやアングルについてのアドバイスや数多い応用について105分、英語で為されます。 スイッチやロードの方法はハンドリングが素晴らしくわかりやすいものでしたが、ネフェシュが私達に何を伝えたかったのか、その細部に至るニュアンスまでは不明でした。とても贅沢な話ですが、日本語字幕が欲しかったかなとは思います。 Liftは演者と観客両方の手、つまり4つの手で密封された情報を読み取る方法です。密閉状態になった手は演者から見て身体の前に伸ばされています。試してみると、この状態でLiftを仕掛けるコツは、思いっきり後ろに顔を向けることです。そのほうが成功する。Liftのやりやすさ、良い所は演者がずっと後ろを向いていることです。観客に「左手を挙げてください。その手を私の右手に乗せてください。あなたの右手は私の左手を下から包むようにしてください」という指示も含めて、演技中殆どの時間を観客と顔を合わせていないからやりやすい、というマジシャンもいるでしょう。後ろを向いているというクリーンさが絶妙なサトルティになっています。試してみるまでは「本当にこの姿勢で(Liftを仕掛けることが)実現可能?」と思いました。「あら。出来るわ」でしたけど。 カットされている秘密の動作については、カットされていなくても気づかなかったと思います。解説動画ではフルの実演映像がありますが、たしか4回見ましたか、気づきませんでした。 日本的ではないと言った箇所は演者各々が自然に実演できるよう、設定や台詞や所作を変更すれば済むことです。ネフェシュが本当に伝えたかったTipsについても、参考にはしたいですが、英語のニュアンスが分からなければ無理に真似しなくても良いと思います。 Lift情報読み取りの仕組みは私が絶対に発想できない類のものでした。繰り返しになりますが、限りなく素直で飾り気がない、確実に使えるトリックなのです。 「ああ・・・これか!絶対にわかりっこないや。」です。 日本語解説書がないこと、ステージでの映像Dreams Routine Nefeschの方法が曖昧なこと、自身のポリシーに反する(観客の身体には手であれ接触しないことを貫いています。喩えインビジブルタッチであっても、肩をポン、であってもです。)ことを踏まえ、星は減らすつもりでしたが。 確実に使えて、即席。Any time No gimmickであれば、それは百点です。そんな奇術はそうそうありませんから。
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